宮本武蔵「枯木鳴鵙図」

昨日の美の巨人たちは
宮本武蔵の「枯木鳴鵙図」でした。

古木の上から
這い上がってくる芋虫を
見つめる鵙の絵。

60戦無敗の剣聖が
描いた絵だけに

見る人によって
いろいろな解釈があるんですね。

鋭い眼光の鵙

一見
武蔵そのもののように見えてきます。

一瞬たりとも見逃さず
一撃を加えるタイミングを測っている。

その相手は芋虫・・・

何も知らずに
古木を登ってくる。

鵙にとっては
タイミングなど関係なく
あっさり
捕獲できるはず。

だとすれば
やはり
芋虫の方を
自分自身と重ね合したのでしょうか。

60戦無敗の境地。

そこには
武蔵の様々な思いが
込められているように思います。

ただ無心に
剣の高みに向かっていくという思い。

決して自分は鵙のように
相手を高みから
見下すようなことなどないという思い。

我々は常に
高みから狙われているかもしれない
芋虫のような儚い存在だという思い。

たとえ鵙が待っていようとも
前に進まなければならないという決意。

自分は鵙であり
芋虫でもあるという境地。

芋虫のように這い上がり
鵙にようになるんだという思い。

あの絵を見ていると
武蔵という人間は
荒々しい豪快な人間というよりは
繊細で
優しさすら感じさせる人間に思えてきます。

あの水墨画の
究極の削ぎ落とし感って
とても潔くて良い感じです。

ここまで
読んでいただき
ありがとうございます。

是非読んだ感想をお問い合わせにてお送りください。


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