モルコムとジョーン
二人は
アランの良き理解者でした。
どちらも
人とは違うアランを
助けてくれる存在であり
世界と繋げくれる存在
マシンであるクリストファーも
そうだったのかもしれません。
アランは
人とのコミュニケーションが
苦手なんですね。
それこそ
普通の人が話す言葉は
暗号みたいなわけです。
アランにとって
数式こそが
言葉だったのかもしれません。
完璧で美しい言葉
二人は
そんなアランを
愛したのだろうと思います。
どんな言葉も
美しい数式に変えるためのマシン
それがクリストファー
私の世界を
完璧に表現してくれるクリストファーを
作り出したかった。
この世界との差に
苦しみ続けた
その差を
埋めるものが必要だった。
モルコムと出会い
美しい世界を知り
ジョーンと出会い
その実現の可能性を知ります。
そして
クリストファーとして
実現に踏み出していく。
アランにとって
戦争は
全然関係なかったわけです。
クリストファーを
実現する環境を求めて
その機会を得ることが出来たんですね。
でも
本当に求めていたものは
クリストファーでは
なかったのかもしれません。
仲間と一緒に
暗号を解いている時間が
真実だったのかもしれません。
皆が
自分の出来る限りの全てをつぎ込んだ
濃密な時間が
心地よかったのかもしれません。
戦争が終わり
その時間も終わったとき
虚しい気持ちを
抑えるためにも
クリストファーを完璧にするために
頑張ります。
しかし
やがて
そのやる気も奪われ
ようやく
悟ったのではないでしょうか。
クリストファーなんていらないと
証明するものなど何もないのだと
ただ
自分が自分であるだけでいいのだと。
自分が
自分になっていく過程を
人々と歩んでいくことに
意味があるのだと。
ここまで
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ありがとうございます。
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