『ノア 約束の舟』行為ではなく、存在自体を信じる心

神話の時代
神と人間との距離は近かった。

人間は
神の加護の中で生きていた。

人間は当然
神を親のように慕い
甘え
反抗し
全責任を押し付けていた。

駄々をこねる人間を
神は
優しく
厳しく
神の力が及ばぬ場所へ追いやった。

これからは
自らの選択で
自らに責任を持って
神として目覚めなさいと。

それこそが祝福なのだと。

映画「ノア 約束の舟」
を見ました。

有名な
ノアの方舟の物語ですね。

神の怒りにふれた人間たち

ノアは
神の啓示とも受け取れる
ビジョンを見ます。

再び
地上を楽園にするために
全てを水に沈めてしまおうと。

ノアは
動物を一組づつ舟に乗せ
洪水から避難させようとします。

しかし
ノアには
本当の目的があって・・・

舟が完成し
洪水が近づいてくると
まず
鳥達が舟に集まってきます。

その様子を見た人間が
怪しんで集まってきます。

そして
最後に
ありとあらゆる動物たちが集まり
洪水が起こるんですね。

人間が
二番目に
集まってくるところが興味深いです。

本質的には
感じる能力はあるのですが

自分が何を感じているのか
気づくことができず

鳥達が集まる様子を見て
何か不吉なことが起きるのかもしれない
という不安や恐怖から集まってくるんですね。

そこで
一体自分が感じているものは
何なのかを認識することができれば
そもそも
洪水なんて起こりはしなかったんでしょうけど

危機的状況を作らないと
人って変われないんですよね。

一方
動物たちは
本能的に
洪水が起こることを
当然のこととして集まって来ます。

そこには
打算も
思考も
何もないんですよね。

ただ
自分と自然とのバランスをとった結果です。

そして
人間は
動物のそういった能力プラス
思考を持った存在なんですね。

動物は
この世界と一体な存在であり

人間は
この世界に何かをもたらす存在。

もちろん
何をもたらすのかは
人それぞれなんですけど

そこに
バランスが
伴っていなければならないんですよね。

その
もっとも
バランスがとれた存在がノアであり

神に選ばれ
人類の未来が託されます。

そうではあっても
ノアだって

神に翻弄され
自然に翻弄され
人間に翻弄され
家族に翻弄されてしまいます。

あげく
自分の考えに
取り憑かれてしまいます。

そんなノアを
救ったのは・・・

やはり
今を生きる
ある意味
バランスの取れた存在なんですね。

正しいか
正しくないか
ではなく
必死で今を生きようとする心

そして
他人を思いやる心

なによりも
あらゆる可能性を求め続け
諦めない心。

自分の行為ではなく
自分の存在自体を信じる心。

ノアは
神の行いをすることに
自分の価値があると思い込んでいました。

けれど
自分という存在にこそ
意味があることを知らされます。

それは
やはり
神に選ばれた
神の代理で神の行いをする
ノアだからこそ
体現することができたのでしょうね。

そして
だからこそ
ノアの箱舟伝説は
今日まで
語り継がれているのだと思います。

神の命令によって
生きるのではなく

あなた自身が神として
ありとあらゆることに責任と誇りを持って
生きていくのだと。

神話の時代は終わり
あなた達自身が時代を作っていくのだと。

そういう意味で
神は
一つの時代を
終わりにしたかったのかもしれませんよね^^

ここまで
読んでいただき
ありがとうございます。

是非読んだ感想をお問い合わせにてお送りください。


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