映画「ハリーとトント」
老人ハリーと
愛猫トントとのロードムービー。
ハリーは、
妻に先立たれ、
区画整理でアパートも
追い出されてしまいます。
長男のバートの家に世話になりますが、
馴染めず、
娘のシャーリーのいるシカゴへ、
飛行機で向かうことになります。
しかし、
トントのおかけで、
飛行機に乗ることが出来ず、
高速バスからも降ろされてしまい、
仕方なしに車を購入して、
旅を続けることになります。
ハリーは当初、
区画整理による強制退去に
反発するんですよね。
他にどこに行く場所があるんだと。
しかし、
強制的に退去させられてしまうと、
それもまた人生と受け入れて、
バートの家で世話になります。
しかし、
今度はバートの妻と
上手くいかなくなってしまう。
ハリーはそれさえも受け入れて、
シカゴへ行くことに決めます。
結局、
シャーリーの所に留まることも出来ず、
旅を続けることになりますが。
様々な理不尽さに抵抗し、
悪態を突きながらも、
どこか素直に受け入れていくんですよね。
トント、
君がそばにいてくれれば、
それだけでいいんだよ、みたいに。
そしてトントは、
結構、
人との間を繋いでくれるんですよね。
人生は、
坦々と流れていきます。
そこで、
自分が感じることを大切にしてみる。
だけど、
決してそのことに拘らず、
受け入れて、
背負い過ぎず、
関わり過ぎず、
自分の責任を果たしていく。
最後に、
ハリーは、
トントの死を見送ることになります。
もちろん、
ハリーは悲しみますが、
それと同時に、
無理をせず、
トントの死を受け入れます。
そして、
浜辺で、
トントに似た猫を追いかけます。
自分の感情を受け入れ、
現実を受け入れて。
ロードムービーって、
坦々とした日常の関係性の中に、
ちょっとした非日常を混ぜ込んで、
日常に埋没しているその意味を
教えてくれるんですね。
人々との出会いと別れの中で、
ハリーは
自分がどんな人間であるかを知ります。
そして、
人生という旅もそんなに悪くないという、
諦めにも似た穏やかさが、
ハリーの表情を微笑みに変えていきます。
妻がこの世を去り、
一人残される寂しさを知った。
そして、
トントがこの世を去り、
旅の終焉の安堵感を知った。
ここまで
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